ブログ「石原明の経営のヒント」

働かないアリに意義がある

今月のおすすめ本は、次代を担う若手経営者のための集中カリキュラム 『経営次進塾 -NEXT college -』の同窓会で講演していただいた社長さんから教えていただいた一冊です。進化生物学者である著者の意欲作ですが、経営者が組織論として読むと、かなりおもしろいと思います(*^_^*)


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アリといえば、働き者の代名詞のようなイメージがありますが、じつは7割はボーっとしており、その中の約一割は一生働かないことがわかってきたのだそうです。しかし、働かないアリがいるからこそ組織は存続していける・・・ひとことで言うと「余力のない組織は弱い」ということでしょうか。

近年、厳しい経済環境の中、効率化ばかりが叫ばれてきましたが、ムダを徹底的に省き、働かない者をリストラし、優秀な社員ばかりを集めたつもりが、長い目で見るとそこから組織が弱体化していくとしたら・・・経営者は本当に困ってしまいますよね(ーー;)

本書には、動物行動学と進化生物学の観点から、社会・会社・家族などに対してどう考えたらいいのかというユニークなヒントがいっぱい詰まっているので、既成概念を外すための刺激として、ぜひ読んでみてほしいところです。

たとえば、「お馬鹿さんがいたほうが成功する」というくだりがあるのですが、アリはえさを見つけると、フェロモンを出して仲間をそこまで誘導しますよね。優秀なアリは、仲間の出したフェロモンを間違いなく辿り、確実にえさを発見します。

一方、中にはうっかり間違えてルートを外れちゃうアリもいるのだそうです。しかし、そこがおもしろいところで、うっかり者のアリは、迷っているうちにもっと近道を発見したり、ときには偶然に別のえさを発見したりするのです。ですから、全体の統計を取ってみると、うっかり者のいる集団のほうが、えさの持ち帰り率に関しては効率的だという結果になるのだとか(@_@;)

これがそのまま人間社会に当てはまるのかどうかは疑問ですが、社内でのコミュニケーション能力にやや欠け、「変わり者」と称されるような人材が、思いもよらぬ新製品開発に成功したなどという例は、よく聞こえてきますよね。

私も「全社一丸は怖い」というお話をすることがあるのですが、組織がみな同じようなタイプで固まってしまうと、進化のスピードが遅くなってしまうのは事実だと思います。かなりマニアックな本ではありますが(笑)、ご自身の思考の幅を広げるために、よかったら手に取ってみてください(@^^)/~~~

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