ブログ「石原明の経営のヒント」

あの「プッチンプリン」が一口サイズに!?

「商品のサイズや量を変えるとマーケットが広がる」という話は、これまでも幾度となくしてきたと思いますが、みなさんご存じの「プッチンプリン」が、それを地で行く戦略で成功しているようです(*^_^*)

今年(2014年)5月から関東甲信越地方限定で発売した"一口サイズ"のプッチンプリンがことのほか好評で、計画を2割上回る販売が続いていることから、この9月より全国発売に踏み切る方針で、協力工場のラインを改修するなど、生産能力を3~4割増やす計画みたいです。


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この『ひとくちプッチンプリン』は、通常サイズ(100g)を1/5にした「20g入り」で、6個入った1パックの希望小売価格が168円(税別)。同社はこれまでも、「Bigプッチンプリン」(165g)や、ちょっと小ぶりの「プッチンプリン3個パック」(1個70g)、また、1kgもある巨大プリンが自分でつくれるという「手づくりプッチンプリン」(期間限定)などを商品化してきた経緯があります。

近年「コンビニスイーツ」などという言葉も一般化してきたとおり、"ちょっとおいしい"くらいでは、まったくインパクトを持たないような厳しい業界環境があるなかで、いずれも味わいなどの基本は変えずに、容量を変えることで巧みにマーケティングする同社の姿勢はさすがだなと思ってみていたのですが、この「一口サイズ」は、どうも想像を上回る売れ方をしたみたいですよ。

まずは、子どものお弁当の1品にされた始めたこと、通常サイズでは食べきれない高齢者にウケたこと・・・まぁここまでは想定内としても、「ランナーたちの手軽な栄養補給に」という売れ方は想定外だったと思います。カップの下をつまむと押し出されてくるという形状が、ランニングの前後やマラソン中の栄養補給にとても重宝がられ、増え続ける市民ランナーたちの間に、クチコミで広がっていったのです(@_@。

「食べられる場面が我々の想定を超えて広がっている」と同社もコメントしていますが、じつはその陰には秀逸なしかけがあって、6個1袋になっているこの『ひとくちプッチンプリン』の商品パッケージには、「ありがとう!」「ファイト!」など、ひとことメッセージが印刷されているんです。

つまり、コミュニケーションツールとして機能するように考えられた商品だということです。マラソン仲間や職場などで配られることが、サンプリングと同じ効果を生み出しているわけですね(*^^)v お金をかけて試供品など配らなくとも、勝手に宣伝してくれる人が大勢いれば、新商品は思わぬスピードで認知されていくわけです。

プッチンプリンの発売は1972年。当時のスーパーマーケットには、ヨーグルトなどの乳製品はあったものの、「デザート」と呼ばれる商品は皆無だった時代です。「わが社でプリンを商品化できないか」と考えた担当チームは、「プリンなんて売れるわけない」と反対する社長を説得するために、"プチン"と穴が開きスルリとプリンが出てくるあの容器を必死で開発したそうですが、あれから40年以上経った今も、市場を開拓し続ける精神はすばらしいと思います。

ちなみに、プッチンプリンは、世界で最も売れているプリンとして、ギネスにも認定されているそうです。この事例を参考に、切り口を変えることで、自社製品の売上げをどこまで伸ばせるか・・・楽しく発想を拡げながら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

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