ブログ「石原明の経営のヒント」

アンのゆりかご 村岡花子の生涯

今回は、現在NHKの朝ドラで放映されている「花子とアン」の主人公・村岡花子さんの生涯を、お孫さんである村岡恵理さんがお書きになった新潮文庫の1冊をご紹介したいと思います。

この本には、決して裕福とはいえない育ちの中で、自らの内に眠る想像力と感性を育み、当時としては大変珍しい女流翻訳家として成長していった花子さんの姿が、とても魅力的に描かれています。


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NHKの朝の連続テレビ小説といえば、「あまちゃん」の大ヒットが記憶に新しく、ドラマが終了した当時は「あまロス」などという言葉も流行りましたが、あまちゃんの平均視聴率が20.6%だったのに対し、後番組の「ごちそうさん」は、それを上回る22.3%をたたき出し、今回の「花子とアン」はその上を行くのではないかと、数字のほうでも注目を集めているようです。

それにしても、15分番組というのは絶妙な枠で、朝の忙しい時間に30分~1時間テレビの前に座っているわけにはいかないけれど、「15分ならまぁいいか」と、習慣化されやすい長さだと思います。

そして人間は一度習慣化すると、後は考えずに同じ行動を取ってしまうもの・・・つまり、その枠でヒット作を出せば、後番組はとても有利なわけですね(*^^)v

NHKさんも、「あまちゃん」の大ヒット後、千載一遇のチャンスとばかり番組制作に力を入れているのでしょうが、そのおかげもあってか、今や出版界には、ドラマのヒットで後発的に本が売れるという"逆マーケティング"現象が起きているのです。

従来は、秀逸な小説があって、それがドラマ化されたり、映画化されたり・・・という流れだったと思うのですが、今回の『赤毛のアン』関連書籍も、たぶん昨年とは比較にならないくらいの売れ行きをみせているはずです。

まぁ、きっかけはどうあれ、マーケットが動いて本が売れ、しかも普段はビジネス書しか読まない層が「小説」を手にとってくれるなら、大変喜ばしい現象だと思います。最近のメルマガでもお話しているとおり、読書は教養や人格をつくる上で、とても重要な役割をしめているからです。

それにしても、この本を手にして、改めて「100年先の人にも読ませたい内容は紙で残しておくべき」だと思ってしまいました。たしかに電子書籍もいいですが、みなさんにはぜひ、紙でこそ味わえる質感を大切にする、筋金入りの読書家になってほしいところです(@^^)/~~~

社長が会社にいなくても回る ガーバー流「仕組み」経営

今回ご紹介するのは、作家でありマイケルE.ガーバー認定ファシリテーターである堀越吉太郎氏の『社長が会社にいなくても回る ガーバー流「仕組み」経営』です。マイケルE.ガーバー氏は、「世界No.1スモールビジネスアドバイザー」「事業の仕組化の世界的権威」として知られる人物で、経営の世界に数々の革命を生み出してきました。

著者の堀越氏とは、とあるパーティ―で知り合いになり、本書をお送りいただいたのですが、私も以前から「社長は現場を離れなさい」と口を酸っぱくするほど言っているので(笑)、とても親近感を覚えました(*^_^*)


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みなさんもお感じのとおり、時代のスピードの速さに連れて、ビジネスの寿命はどんどん短くなっています。ひとつのビジネスモデルが成功すれば、親子3代食べられた時代もありましたが、近年、なかなかそうはいきませんよね。

ということは、「今の仕事」と同時に「未来の仕事」もしていかないと、その会社の安泰はないわけで、会社の未来を創るのが、何よりも大事な社長の仕事なのです!

ですから、社長が現場で必死に働いているという状態(この本では「職人型」と説明されています)は、ある種の"罪"。「社長の限界=事業の限界」となり、その事業に関わるスタッフや取引先の将来を暗雲に包んでしまうわけです(ー_ー)!!

そうならないために、事業も組織も勝手に成長するような『儲かるしくみ』をつくってほしいのですが、本書は図表やイラストを入れて、とてもわかりやすく解説してくれているので、復習も兼ねてしっかり読み込んでみてください。夏休みの課題図書にするのも、いいかもしれませんよ(@^^)/~~~

あの「プッチンプリン」が一口サイズに!?

「商品のサイズや量を変えるとマーケットが広がる」という話は、これまでも幾度となくしてきたと思いますが、みなさんご存じの「プッチンプリン」が、それを地で行く戦略で成功しているようです(*^_^*)

今年(2014年)5月から関東甲信越地方限定で発売した"一口サイズ"のプッチンプリンがことのほか好評で、計画を2割上回る販売が続いていることから、この9月より全国発売に踏み切る方針で、協力工場のラインを改修するなど、生産能力を3~4割増やす計画みたいです。


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この『ひとくちプッチンプリン』は、通常サイズ(100g)を1/5にした「20g入り」で、6個入った1パックの希望小売価格が168円(税別)。同社はこれまでも、「Bigプッチンプリン」(165g)や、ちょっと小ぶりの「プッチンプリン3個パック」(1個70g)、また、1kgもある巨大プリンが自分でつくれるという「手づくりプッチンプリン」(期間限定)などを商品化してきた経緯があります。

近年「コンビニスイーツ」などという言葉も一般化してきたとおり、"ちょっとおいしい"くらいでは、まったくインパクトを持たないような厳しい業界環境があるなかで、いずれも味わいなどの基本は変えずに、容量を変えることで巧みにマーケティングする同社の姿勢はさすがだなと思ってみていたのですが、この「一口サイズ」は、どうも想像を上回る売れ方をしたみたいですよ。

まずは、子どものお弁当の1品にされた始めたこと、通常サイズでは食べきれない高齢者にウケたこと・・・まぁここまでは想定内としても、「ランナーたちの手軽な栄養補給に」という売れ方は想定外だったと思います。カップの下をつまむと押し出されてくるという形状が、ランニングの前後やマラソン中の栄養補給にとても重宝がられ、増え続ける市民ランナーたちの間に、クチコミで広がっていったのです(@_@。

「食べられる場面が我々の想定を超えて広がっている」と同社もコメントしていますが、じつはその陰には秀逸なしかけがあって、6個1袋になっているこの『ひとくちプッチンプリン』の商品パッケージには、「ありがとう!」「ファイト!」など、ひとことメッセージが印刷されているんです。

つまり、コミュニケーションツールとして機能するように考えられた商品だということです。マラソン仲間や職場などで配られることが、サンプリングと同じ効果を生み出しているわけですね(*^^)v お金をかけて試供品など配らなくとも、勝手に宣伝してくれる人が大勢いれば、新商品は思わぬスピードで認知されていくわけです。

プッチンプリンの発売は1972年。当時のスーパーマーケットには、ヨーグルトなどの乳製品はあったものの、「デザート」と呼ばれる商品は皆無だった時代です。「わが社でプリンを商品化できないか」と考えた担当チームは、「プリンなんて売れるわけない」と反対する社長を説得するために、"プチン"と穴が開きスルリとプリンが出てくるあの容器を必死で開発したそうですが、あれから40年以上経った今も、市場を開拓し続ける精神はすばらしいと思います。

ちなみに、プッチンプリンは、世界で最も売れているプリンとして、ギネスにも認定されているそうです。この事例を参考に、切り口を変えることで、自社製品の売上げをどこまで伸ばせるか・・・楽しく発想を拡げながら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

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