ブログ「石原明の経営のヒント」

社長が会社にいなくても回る ガーバー流「仕組み」経営

今回ご紹介するのは、作家でありマイケルE.ガーバー認定ファシリテーターである堀越吉太郎氏の『社長が会社にいなくても回る ガーバー流「仕組み」経営』です。マイケルE.ガーバー氏は、「世界No.1スモールビジネスアドバイザー」「事業の仕組化の世界的権威」として知られる人物で、経営の世界に数々の革命を生み出してきました。

著者の堀越氏とは、とあるパーティ―で知り合いになり、本書をお送りいただいたのですが、私も以前から「社長は現場を離れなさい」と口を酸っぱくするほど言っているので(笑)、とても親近感を覚えました(*^_^*)


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みなさんもお感じのとおり、時代のスピードの速さに連れて、ビジネスの寿命はどんどん短くなっています。ひとつのビジネスモデルが成功すれば、親子3代食べられた時代もありましたが、近年、なかなかそうはいきませんよね。

ということは、「今の仕事」と同時に「未来の仕事」もしていかないと、その会社の安泰はないわけで、会社の未来を創るのが、何よりも大事な社長の仕事なのです!

ですから、社長が現場で必死に働いているという状態(この本では「職人型」と説明されています)は、ある種の"罪"。「社長の限界=事業の限界」となり、その事業に関わるスタッフや取引先の将来を暗雲に包んでしまうわけです(ー_ー)!!

そうならないために、事業も組織も勝手に成長するような『儲かるしくみ』をつくってほしいのですが、本書は図表やイラストを入れて、とてもわかりやすく解説してくれているので、復習も兼ねてしっかり読み込んでみてください。夏休みの課題図書にするのも、いいかもしれませんよ(@^^)/~~~

あの「プッチンプリン」が一口サイズに!?

「商品のサイズや量を変えるとマーケットが広がる」という話は、これまでも幾度となくしてきたと思いますが、みなさんご存じの「プッチンプリン」が、それを地で行く戦略で成功しているようです(*^_^*)

今年(2014年)5月から関東甲信越地方限定で発売した"一口サイズ"のプッチンプリンがことのほか好評で、計画を2割上回る販売が続いていることから、この9月より全国発売に踏み切る方針で、協力工場のラインを改修するなど、生産能力を3~4割増やす計画みたいです。


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この『ひとくちプッチンプリン』は、通常サイズ(100g)を1/5にした「20g入り」で、6個入った1パックの希望小売価格が168円(税別)。同社はこれまでも、「Bigプッチンプリン」(165g)や、ちょっと小ぶりの「プッチンプリン3個パック」(1個70g)、また、1kgもある巨大プリンが自分でつくれるという「手づくりプッチンプリン」(期間限定)などを商品化してきた経緯があります。

近年「コンビニスイーツ」などという言葉も一般化してきたとおり、"ちょっとおいしい"くらいでは、まったくインパクトを持たないような厳しい業界環境があるなかで、いずれも味わいなどの基本は変えずに、容量を変えることで巧みにマーケティングする同社の姿勢はさすがだなと思ってみていたのですが、この「一口サイズ」は、どうも想像を上回る売れ方をしたみたいですよ。

まずは、子どものお弁当の1品にされた始めたこと、通常サイズでは食べきれない高齢者にウケたこと・・・まぁここまでは想定内としても、「ランナーたちの手軽な栄養補給に」という売れ方は想定外だったと思います。カップの下をつまむと押し出されてくるという形状が、ランニングの前後やマラソン中の栄養補給にとても重宝がられ、増え続ける市民ランナーたちの間に、クチコミで広がっていったのです(@_@。

「食べられる場面が我々の想定を超えて広がっている」と同社もコメントしていますが、じつはその陰には秀逸なしかけがあって、6個1袋になっているこの『ひとくちプッチンプリン』の商品パッケージには、「ありがとう!」「ファイト!」など、ひとことメッセージが印刷されているんです。

つまり、コミュニケーションツールとして機能するように考えられた商品だということです。マラソン仲間や職場などで配られることが、サンプリングと同じ効果を生み出しているわけですね(*^^)v お金をかけて試供品など配らなくとも、勝手に宣伝してくれる人が大勢いれば、新商品は思わぬスピードで認知されていくわけです。

プッチンプリンの発売は1972年。当時のスーパーマーケットには、ヨーグルトなどの乳製品はあったものの、「デザート」と呼ばれる商品は皆無だった時代です。「わが社でプリンを商品化できないか」と考えた担当チームは、「プリンなんて売れるわけない」と反対する社長を説得するために、"プチン"と穴が開きスルリとプリンが出てくるあの容器を必死で開発したそうですが、あれから40年以上経った今も、市場を開拓し続ける精神はすばらしいと思います。

ちなみに、プッチンプリンは、世界で最も売れているプリンとして、ギネスにも認定されているそうです。この事例を参考に、切り口を変えることで、自社製品の売上げをどこまで伸ばせるか・・・楽しく発想を拡げながら、チャレンジしてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

「教えないから人が育つ」横田英毅のリーダー学

今回ご紹介するのは、「ネッツトヨタ南国」の横田英毅氏の経営哲学を、元ソニー上席常務であった天外伺朗氏が解き明かした一冊です。同社は私の提唱する「4ステップマーケティング」を地域でそのまま実践しているような会社なんですが、リーマンショック後苦戦の続いていた自動車業界で、唯一前年比150%で売上げを伸ばし続け、世の中をあっと驚かせた会社です。


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横田氏の経営哲学を端的に表現すると「任せるマネジメント」ということになるのですが、社員の人間性を尊重し、「叱らない、教えない、やらせない」というポリシーのもとにすべてを自主性に任せると・・・やがてみな、やりがいを感じながら働く社員になり、自ら考えて行動できる優秀なリーダーが育つ、というわけです(*^^)v

しかし、全ての会社が同じことを実践してそのとおりになるかというと・・・そこは「???」です。任せて大丈夫なのは「ネッツトヨタ南国」だから、と言う部分も大きく(笑)、同社は全国から会社見学の人が絶えないような社会的に注目されている企業であり、名刺を出す度にプライドが満たされるわけで(合コンでも圧勝でしょう...笑)、そんな環境で働けるなら、人は勝手に育っていくものなのです。

また、同社のマーケティングは完璧に完成されていて、普通なら新車がズラリと並ぶはずのショールームには一台もクルマが無く、代わりに置かれているのは、ホテルのラウンジのようなスタイリッシュなテーブルと椅子(@_@。 さらに、おもてなし専門のスタッフが来場者に運ぶ飲み物は本格的なドリップコーヒーや紅茶、ココアなど約10種類もあるそうで、もちろんすべて無料! さらに、追加料金を払えばモーニングセットまで頼める・・・といった環境を、会社が用意してくれているのです。

これ、どういうことかわかります? 「寄付を募りたいならバラを渡せ」みたいな話で、たとえば街頭で何らかの寄付を集めたい場合、ただ募金箱を持って立っているだけの場合と、無料でバラの花を配り、その後でさりげなく募金箱を差し出す場合とでは、集まる募金の額が大きく違ってくるのと同じように、同社のショールームでモーニングを食べた方々は、「いつか車を買い替えるときが来たら、ここに頼まないと悪いよね」みたいな気持ちを抱いて当然なんです(*^_^*)

こんなふうに、会社がマーケティングとブランディングに成功していれば、そこで働く人の多くはすくすくと育っていくわけで、だからこそ「任せて安心!」なのです。そんな視点を持ちながら本書を読んでいただくと、また違った読み解き方ができると思うのですが、創業時のソニーでも「任せるマネジメント」が行なわれていたのは有名な話ですし、私が支援している"全員がニートで、全員が取締役"というNEET株式会社の組織も、同じ手法で運営されています。

そう考えると、世界を変えるような企業になりたければ、「任せるマネジメント」しかないように思えますが、この本に書いてあることすべてを絶賛するのではなく、本に書いてあることと、自社の現状を冷静に比較するような高い視点を持ちながら、読んでみてほしいと思います。そしてよかったら、感想も聞かせてくださ~い(@^^)/~~~

経営コンサルタント石原明 公式サイト 石原明.com
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